日々の商談で自分の営業スキルに満足していますか?
もしくは、新人や中堅の営業担当者を指導する立場の方は、
部下や後輩の営業スキルに満足していますか?
営業スキルは、持って生まれた才能ではなく、磨くことができるものです。
しかし、実際の商談だけでは、なかなかスキルアップは難しいものです。
商談は一回一回が貴重で、失敗すれば売上や信頼に影響します。
また、商談後に客観的なフィードバックを得ることも容易ではありません。
そこで、営業スキルを向上させるために有効な方法があります。
それが、現場で実施するロールプレイです。
ロールプレイとは、商談ロールプレイングの略で、
提案する側と提案を受ける側に分かれて、商談現場を再現してトレーニングをすることです。
ロールプレイを実施することのメリット
ロールプレイは、営業部門にとって必要不可欠な活動です。
なぜなら、以下のようなメリットがあるからです。
- 営業パーソン一人ひとりの具体的な課題を明確にすることができる
- 営業トークに慣れることができる
- 本番に近い経験を積むことができる
- 説得力や人前で話す力がつく
- 具体的なフィードバックを得ることができる
- 優秀なセールスの手法を学ぶことができる
- 営業ノウハウを共有できる
- アウトプットすることで学習効果が向上する
- 顧客の感情変化や反応を読み取る力がつく
など
ロールプレイ実施のポイント
これらのメリットを享受するためには、ただやみくもにロールプレイを行うだけでは不十分です。
効果的なロールプレイを行うためには、以下のようなポイントを押さえておく必要があります。
ロールプレイ前
- 設定や顧客情報を用意する
- 自社の営業プロセスをもとに、課題や強化すべきスキルを明確化する
- 録音や録画の準備をする
- 顧客の懸念点を払拭することができる提案内容を検討する
ロールプレイ中
- 営業役側は本番同様に真剣に提案する
- 顧客役側は設定に沿ってリアルに反応し、質問や異論を出す
- フィードバック側は客観的に観察し、良かった点や改善点をメモする
ロールプレイ後
- フィードバック側はすぐに具体的かつ建設的なフィードバックを行う
- 録音や録画を確認し、自分自身で良かった点や改善点を抽出する
- 改善点に対してアクションプランを立てて実行する
以上のポイントを意識してロールプレイを行うことで、営業スキルの向上につなげることができます。
また、ロールプレイは一人でも可能です。
録音や録画した先輩や上司の営業トークを聞いたり見たりし、自分も真似してみたり、
改善点を考えたりすることも有効です。
営業ロールプレイの種類
ロールプレイは、一般的には商談全体を通して行うものですが、
より効果的に行うためには、営業プロセスごとに分けて行うことがおすすめです。
以下では、代表的なロールプレイの種類とそのポイントについて紹介します。
1.営業プロセス別トレーニング
営業プロセス別トレーニングとは、商談の各段階に分割しロールプレイを行う方法です。
例えば、
- アポイント獲得:
電話やメールで顧客から商談の機会を得るためのトーク力やテクニックを練習する。 - ヒアリング:
顧客の課題やニーズ、予算や期限などを引き出すための質問力や聞き方を練習する。 - 提案及び否定的な反応への対処:
自社製品やサービスの価値やメリットを伝えるための説明力やストーリー力、顧客の懸念点や異論に対応するための反論力や説得力を練習する。 - クロージング:
顧客から契約や注文を得るための決断促進力や交渉力を練習する。
このように、商談の段階ごとに必要なスキルやテクニックを重点的に練習することで、
全体的な営業力が向上します。
また、自分自身が苦手な部分や課題がある部分にフォーカスして練習することも可能です。
2.グループにおける問題解決
グループにおける問題解決とは、重要商談の進め方をチームで検討し、
ロールプレイで検証する方法です。
例えば、
- ターゲットとしている重要見込み客との初回面談の方法検討する
- ターゲットとしている重要見込み客への提案内容及びツールを検討する
- 既存顧客をセルアップする方法を検討する
などがあります。
このようなテーマをチームで検討、ロールプレイでの検証を行うことで、
チームワークやコミュニケーション力、交渉力などを高めることができます。
また、他のメンバーの考え方や行動パターンを知ることで、自分の視野を広げることもできます。
3.シーン別トレーニング
シーン別トレーニングとは、商談において起こり得るさまざまなシーンに対応する方法を
トレーニングする方法です。
例えば、
- 顧客が商品やサービスに興味を示さない場合:
どうやって関心を引くか、どうやってニーズを引き出すかをトレーニングする。 - 顧客が値引き交渉をしてくる場合:
どうやって価値を伝えるか、どうやって交渉するかをトレーニングする。 - 顧客が競合他社の商品やサービスについて聞いてくる場合:
どうやって自社製品やサービスの優位性をアピールするか、どうやって差別化するかを
トレーニングする。
このように、シナリオ別トレーニングでは、商談における様々な局面での対応力や柔軟性を
鍛えることができます。また、想定外の事態にも対応できるようになります。
ロールプレイの効果的な実施方法
ロールプレイは、営業スキルの向上に欠かせない活動ですが、
ただ行うだけでは効果は半減してしまいます。
ロールプレイの効果を最大限に引き出すためには、
以下のようなポイントに注意して実施することが重要です。
- 定期的に行う:ロールプレイは一回だけではなく、定期的に行うことで効果が高まります。
特に新人や中堅の営業担当者は、毎週一回程度はロールプレイを行うことは有効です。 - フィードバックを徹底する:ロールプレイ後は必ずフィードバックを行いましょう。
フィードバックは具体的かつ建設的であることが大切です。
良かった点だけでなく、改善点も指摘しましょう。また、改善点に対しては具体的な
アクションプランも提示する必要があります。 - フォローアップを行う:フィードバックだけでは十分ではありません。
次回のロールプレイでは前回の改善点が改善されているかどうかを確認する必要があります。
また、改善されていない場合はその原因を把握し、解消する方法を検討します。
このようにフォローアップを行うことで、ロールプレイの効果が定着します。
まとめ
今回は、営業部門でロールプレイをする必要性と効果的な方法についてご紹介しました。
ロールプレイは、営業スキルの向上だけでなく、チームワークやコミュニケーション力も高めることができます。しかし、ただ行うだけでは効果は半減してしまいます。
ポイントを押さえて実施することで、ロールプレイの効果を最大限に引き出すことができます。
皆さんも職場でぜひ実施してみてください。
また、現場で実施するロールプレイ以外にも、オンラインで実施できるロールプレイツールもあります。
オンラインで実施できるロールプレイツールは、時間や場所の制約が少なく、
さまざまなシナリオやフィードバック機能も充実しています。
そのようなツールを導入し、活用することをおすすめします。