最近所属しているコンサルタントのコミュニティ(オンライン上で情報交換を頻繁に行っています)で
質問をしました。
それぞれがその道の専門家なので、いろいろなアドバイスをいただけて、
すごく助かったということがありました。
しかし、その中で少し気になったことがありました。
それは、質問と近い領域の話なのだけれど、
質問に対する答えになっていないアドバイスが結構あったことです。
教えていただいた方はこの話も知っておくと良いよということなのかもしれませんが、
「そのことは今回の質問には関係ないことなんだよな・・・」
「言っていることは確かにあっているのだけど、私が質問したことに対する答えは?」
と感じることがありました。
このような経験は、顧客との会話の中でもよく起こります。
顧客からの信頼を得るためには、商品やサービスの価値を伝えるだけでなく、
顧客からの質問に正確で適切に答えることが必要です。
顧客の質問に対して、答えになっていない話や余計な情報を伝えてしまうことがありませんか?
そんなときに役立つのが、「結論ファースト」というコミュニケーション手法です。
「結論ファースト」とは?
「結論ファースト」とは、会話の最初に結論を伝えることです。
プレゼンテーションや提案では、最初に最終的な提案や要望を伝えます。
顧客の質問に対しては、最初に答えを伝えます。
これにより、聞き手は理解しやすくなり、あなたのメッセージに集中することができます。
「結論ファースト」の効果
「結論ファースト」を活用することで、以下のような効果が得られます。
- 顧客が提案内容を明確に理解しやすくなる。
- 顧客があなたの提案に興味を持ちやすくなる。
- 顧客があなたの提案に納得しやすくなる。
- 顧客があなたの提案に反応しやすくなる。
例えば、卸売業者の営業マン、田中さんは、「結論ファースト」に切り替えてみました。
以前は、商品の特徴や利点を詳しく説明した後に提案を行っていましたが、
顧客は情報過多で混乱してしまいました。
そこで、田中さんは最初に、
「当社の商品Xを取り扱っていただきたい理由は、あなたの店舗の利益を30%増加させる可能性があるからです。」
と提案するように変更しました。
すると、顧客は重要なメッセージを最初に受け取り、その後の製品の詳細に集中することができました。
田中さんの提案への理解度と反応度が格段に向上しました。
「結論ファースト」を活用するためのテクニック
「結論ファースト」を活用するためには、以下のようなテクニックがあります。
- 結論とその理由を明確に伝える。「このことは○○ですか?それとも△△ですか?」という問いに対して、
「それは○○です。その理由は・・・」と答える。 - 結論を伝えた後に補足情報を伝える。「当社の商品Xを取り扱っていただきたい理由は・・・」
と提案した後に、「商品Xの特徴や利点は・・・」と説明する。 - 結論を伝える際に数字や事例を使う。「当社の商品Xを取り扱っていただくと、あなたの店舗の利益は30%増加します。実際に、同じ地域で商品Xを導入した店舗Aさんは・・・」と具体的な成果を示す。
「結論ファースト」は組織全体で取り組むことが重要
「結論ファースト」は、営業マンだけでなく、組織全体で取り組むことが重要です。
トレーニングやワークショップを通じて、全員が「結論ファースト」の重要性と具体的な手法を理解し、
日常のコミュニケーションでも「結論ファースト」を意識する文化を作り上げることができます。
顧客の質問に対応するためには、「結論ファースト」だけでなく以下のことにも注意する必要がある
顧客の質問に対応するためには、「結論ファースト」を活用するだけでなく、
以下のことにも注意する必要があります。
- 質問の意図を理解する。顧客が何を知りたいのか、何に悩んでいるのか、
何を求めているのかを探るために、オープンエンドの質問や確認の質問を使う。 - 正確かつ適切に回答する。顧客の質問に対して、答えになっていない話や余計な情報を伝えない。
必要な情報だけを簡潔に伝える。 - 誠実に回答する。顧客の質問に対して、自信がないことや分からないことは正直に伝える。
嘘やごまかしは顧客の信頼を失うことにつながる。
まとめ
顧客からの信頼を得るためには、商品やサービスの価値を伝えるだけでなく、
顧客からの質問に正確で適切に答えることが必要です。
そのためには、「結論ファースト」というコミュニケーション手法が非常に有効です。
「結論ファースト」とは、会話の最初に結論を伝えることです。